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================================================ No.031 2001/09/26 ===

  W E B  D E S I G N E R S  M A G A Z I N E  G A U Z I N E

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                        配信部数:6,276部

『GAUZINE』 No.031 のラインナップ
 ┣『映像作家研究ファイル』「特別編」
 ┗『編集後記』

ごぶさたしております、GAUCHO 尾崎です。
『GAUZINE』のほうは、現在休刊中なのですが、お約束していた
『GAUZINE Remix』のほうを3ケ月ぶりに発行させていただきます。

実は9月第2週水曜に発行する予定で準備していたのですが、アメリカで世界的
テロ事件が起こってしまったため配信を2週間ほど延期させてもらいました。
平和的な解決を心から祈ります。 http://www.peace2001.org/

今回は、1年半つづけてきた『映像作家研究ファイル』企画の特別編として、
これまでご紹介してきた映像作家のその後、ということで、新作なり近況なり
の情報を補足・追加させてもらうことにします。

 
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『映像作家研究ファイル』
 WEB制作者のための映像制作入門/鑑賞編〜特別編
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『映像作家研究ファイル』は、WEB制作において今後増えていくことが予想さ
れる Flashムービーやストリーミングビデオなどの「動画・映像コンテンツ
制作」のヒントになるものを模索・研究していこうという主旨の企画です。


■ 『映像作家研究ファイル』の流れ

これまで、
「映画のタイトルデザインから学ぶ〜カイル・クーパー」(2000年1月)
「キャラクターから学ぶ〜ティム・バートン」(2000年2月)
「音楽と映像の調和〜トム・ティクヴァ」(2000年3月)
「カメラワークと色彩感覚〜クリストファー・ドイル」(2000年4月)
「サンプリングとリミックス〜ダーレン・アロノフスキー」(2000年5月)
「挑発する映像〜デイビッド・フィンチャー」(2000年6月)
「笑える映像〜笑いの達人たち」(2000年7月)
「スタイルの確立〜ハル・ハートリー」(2000年8月)
「感情の表出〜ポール・トーマス・アンダーソン」(2000年9月)
「生命の脈動〜クレール・ドゥニ」(2000年10月)
「時間のコラージュ〜スティーヴン・ソダーバーグ」(2000年11月)
「恐怖の本質〜黒沢 清」(2000年12月)
「未来をデザインする〜アンドリュー・ニコル」(2001年1月)
「笑える会話〜ケヴィン・スミス」(2001年2月)
「想像力の解放〜スパイク・ジョーンズ」(20001年3月)
「不可視の領域〜M.ナイト・シャマラン」(20001年4月)
「信は真に通ず〜アン・リー」(20001年5月)
「即興から生まれるエモーション〜ジョン・カサヴェテス」(20001年6月)

(※記事の詳細は http://www.gaucho.com/21/column/gauzine00.html 参照)

と、いろいろなスタイルをもつ映像作家をご紹介してきましたが、1年半
の間に、新作が公開されたり、過去の作品がビデオ化されたりと、鑑賞で
きる機会も増えております。劇場公開時には、作品を観れなかった方も
その後、BSやCSで放送されたり、ビデオやDVDでご覧になった方も多いかと
思います。

雑誌「STUDIO VOICE」(2001年8月号/vol.308)では、
「最終アメリカ映画〜タランティーノ以降の尖端作家30人」
という特集も組まれ、「GAUZINE」で紹介した映画作家も7人ほど入って
ました。今後、どの監督や脚本家の作品を観るべきなのか、という視点の
ガイドブックとしては、とても参考になる特集記事だったと思います。

このように注目の映像クリエイターたちの最新の作品を鑑賞することは、
デザインやFlashムービーを制作するときにも、いろいろなインスピレーション
を与えてくれますし、映像のコンセプトやスタイルを研究することにより、
情報伝達の手法や新しい表現方法のようなものに気づかされたりします。

ということで、これまでご紹介してきた映像作家たちの最近の動向を
今一度振り返りながらご紹介していくことにします。

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◆「キャラクターから学ぶ〜ティム・バートン」(2000年2月)
┗ http://www.gaucho.com/21/column/gauzine14.html#001

ティム・バートンといえば、やはりこの夏話題になった
「PLANET OF THE APES/猿の惑星」
 ┗ http://www.foxjapan.com/movies/planetoftheapes/

ご覧になった方も多いかと思いますが、バートン独特の世界観で猿と人間の
物語を観せてくれてたと思います。リック・ベイカーの特殊メイクも見事
でしたが、特番とかで放送されていた猿を演ずる役者たちが「猿歩き」の
訓練をしているメイキングビデオとかもなかなか楽しめました。

バートンのキャラクター造形のセンスが、この作品でも存分に発揮されてい
たと思います。ちなみに、猿のヘルメットや衣装、小道具などの多くは、
バートン自身がデザインしているとのこと。渦巻きモチーフは他の作品でも
見られたと思いますが、細部にわたって独自の世界観を表現するためのこだ
わりを感じます。

また、バートンはWEBアニメーションの世界でも話題を集めています。
「ステインボーイ」ティム・バートン作
 ┗ http://jp.shockwave.com/animations/stainboy/

【ティム・バートンの主な作品】
「バットマン」「シザーハンズ」「マーズ・アタック!」「スリーピー・ホロウ」
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◆「音楽と映像の調和〜トム・ティクヴァ」(2000年3月)
┗ http://www.gaucho.com/21/column/gauzine15.html#001

「ラン・ローラ・ラン」のトム・ティクバですが、今年になって過去の作品
「ウインタースリーパー」(1997)も公開されました。

最新作はケイト・ブランシェット主演の「HEAVEN」(2002年公開)。
今度は「逃げる女」の話だそうですが、「ラン・ローラ・ラン」同様、
「愛のために戦う女」の姿を描いたサスペンスとのこと。
今夏、「The Princess and The Warrior」でアメリカデビューも果たした
トム・ティクバですが今後益々のワールドワイドな活躍が期待できます。

【トム・ティクヴァの主な作品】
「ラン・ローラ・ラン」「ウインタースリーパー」
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◆「カメラワークと色彩感覚〜クリストファー・ドイル」(2000年4月)
┗ http://www.gaucho.com/21/column/gauzine16.html#001

今年の3月に公開された「花様年華」でも、華麗な映像を観せてくれた
クリストファー・ドイルですが、実は「花様年華」はもうひとりカメラマン
がいました。リー・ピンビンという人で、「戯夢人生」「女人、四十。」
などの撮影監督ですが、この人の最新作の「夏至」(トライ・アン・ユン監督)
でも、ひじょうに美しい映像を観せてくれてました。
色彩感覚や質感もどことなく「花様年華」を彷彿させる感じで納得でした。
映像美としては「夏至」 http://ge-shi.com/ もオススメです。

【クリストファー・ドイルの主な作品】(撮影監督)
「欲望の翼」「恋する惑星」「天使の涙」「ブエノスアイレス」
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◆「サンプリングとリミックス〜ダーレン・アロノフスキー」(2000年5月)
┗ http://www.gaucho.com/21/column/gauzine17.html#001

「レクイエム・フォー・ドリーム」 
  http://www.cinemabox.com/filmarc/REQUIEM_4_A_DREAM/
の驚異的映像が話題になったダーレン・アロノフスキーですが、
次回作「バットマン5」も控えています。

【ダーレン・アロノフスキーの主な作品】
「π」「レクイエム・フォー・ドリーム」
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◆「生命の脈動〜クレール・ドゥニ」(2000年10月)
┗ http://www.gaucho.com/21/column/gauzine22.html#001

カンヌ映画祭で物議をかもし出した新作「ガーゴイル」(2002年公開予定)
は、終盤で「ハンニバル」を遥かに越える人喰いシーンがあるとのこと。
(カンヌのプレス試写会で2名の失神者がでたらしい。)

しかし、そのホラー性よりも、そこに至るまでのヴィンセント・ギャロの
圧倒的なクールさと、ベアトリス・ダルの妖しさ、そしてユニークな物語構成
はまさに圧巻とのこと。ほとんどセリフもないままに、不穏な空気を漂わせ
ながら物語は進行していく。そして、そこには欲望を満たすことのできない
人間の苦しみが生々しく描きだされている。

「Trouble Everyday」(邦題:ガーゴイル)レビュー 
  http://channel.slowtrain.org/paris-cinema/paris_bn/paris0719.html

【クレール・ドゥニの主な作品】
「パリ、18区、夜。」「ネネットとボニ」
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◆「時間のコラージュ〜スティーヴン・ソダーバーグ」(2000年11月)
┗ http://www.gaucho.com/21/column/gauzine23.html#001

ソダーバーグを紹介した2000年11月ごろは予想だにしませんでしたが、
今年のアカデミー賞で、スティーヴン・ソダーバーグは大活躍でした。
「エリン・ブロコビッチ」と「トラフィック」の2作品が作品賞にノミネート
され、「トラフィック」で見事最優秀監督賞を受賞しました。
 ┗ http://www.trafficmovie.net/

デビュー作から好きだったソダーバーグが、オスカーでも高く評価され、
個人的にはひじょうにうれしい出来事でした。
「トラフィック」も近いうちにビデオ化されると思いますが、
映像の色彩と質感でその舞台や場所を識別させるアイデアは、WEBデザイン
のカラーリングにも通じる「今いる場所」を確認させる斬新な手法でした。

あと、「エリン・ブロコビッチ」のDVDに収録されているソダーバーグ自身
の解説によるメイキングがなかなか勉強になります。シーンごとの意図や、
編集時にどうやってカットシーンを選ぶかなどを淡々と語っています。
それと「イギリスから来た男」もDVD化されてますね。

また、CSでは、1993年の「わが街セントルイス」も放送されてました。
今のソダーバーグのイメージとは少し違う、ほのぼのとした作品でしたが、
たまに観せるハッとする映像センスは、今に通ずるものもありました。

さらに、驚くことに、1996年に30万ドルで撮られたスタッフ5人による
幻の低予算実験映画「スキゾポリス」
 ┗ http://www.zaziefilms.com/lineup/schizopolis/schizopolis.html
が10/20より国内初上映されるとのこと。

ソダーバーグ本人の自作自演によるかなり奇妙なコメディ作品で、以後
の商業性と前衛性の両立を模索する原点ともなった作品らしい。
また「グレイズ・アナトミー」という作品も同時上映されます。
 ┗ http://www.zaziefilms.com/lineup/schizopolis/glays_anatmy.html

新作は、豪華キャストによる「オーシャンの11人の仲間」と
タルコフスキーの名作「惑星ソラリス」のリメイク。

あと、10月に公開される話題の逆回転ムービー「メメント」の監督である
クリストファー・ノーランの次回作を、ソダーバーグがプロデュースすると
いうニュースも入ってきています。ストーリーが全編逆に進んでいくという
「メメント」 http://www.otnemem.jp/memento/index.html も楽しみです。
レビューによると、かなり画期的なスタイルをもった作品みたいです。
 ┗ http://www.otnemem.jp/memento/review/index.html

【スティーヴン・ソダーバーグの主な作品】
「アウト・オブ・サイト」「エリン・ブロコビッチ」「トラフィック」

・ソダーバーグ・インタビュー記事
 ┗ http://www.zaziefilms.com/lineup/schizopolis/interview.html
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◆「恐怖の本質〜黒沢 清」(2000年12月)
┗ http://www.gaucho.com/21/column/gauzine24.html#001

黒沢 清といえば、5月のカンヌ映画祭でも国際批評家連盟賞を受賞しましたが
その受賞作品「回路」が8月にビデオ化されました。
 ┗ http://www.kairo-movie.net/
劇場公開時、見逃した方は、是非ビデオでご覧下さい。
「インターネットが媒介になって世界が崩壊する」というとんでもないお話です。
つながっている便利さの裏腹にある危険性を見事に示唆した作品ともいえます。

もしも、人間の心を絶望させるような悪意のウィルスがインターネットや放送
を通じて世界に流れてしまう自体が起こったとしたら、ホントたいへんなわけ
で、ある意味、情報を発信するメディアの体質や倫理感をも考えさせられる作
品でした。

【黒沢 清の主な作品】
「CURE/キュア」「ニンゲン合格」「カリスマ」「大いなる幻影」
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◆「想像力の解放〜スパイク・ジョーンズ」(20001年3月)
┗ http://www.gaucho.com/21/column/gauzine27.html

スパイク・ジョーンズといえば、クリストフォー・ウォーケンが踊りまくる
ファットボーイ・スリムのミュージックビデオも話題になりましたね。
 ┗ http://realguide-jp.real.com/movies/?s=spike

新作は、ビョークやケミカルブラザーズなどのミュージックビデオ監督として
知られるミッシェル・ゴンドリーの初映画監督作「ヒューマン・ネイチュア」
(2002年公開)のプロデュースを担当しているようです。
「世界一毛深い女に、野生で育てられた猿男」の話(笑)だそうです。
 ┗ http://motiondesignart.tripod.co.jp/snapshot012.html

あと、ニコラス・ケイジとメリル・ストリープによる「Adaptation」という
作品も待機しています。幻の蘭をクローン栽培しようとする蘭コレクター男
と、その男を追う女性ルポライター、そしてこのネタを映画化しようと考える
新進脚本家がからんでくるお話だそうです。

【スパイク・ジョーンズの主な作品】
「マルコヴィッチの穴」
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◆「不可視の領域〜M.ナイト・シャマラン」(20001年4月)
┗ http://www.gaucho.com/21/column/gauzine28.html#001

M.ナイト・シャマランといえば、「アンブレイカブル」
 ┗ http://www.movies.co.jp/unbreakable/
が8月にビデオ化されました。劇場公開時は、今ひとつの人気だったようです
が、個人的にはよくできた深い作品だと評価してます。
シャマラン作品は、ビデオで2回、3回観ても新たな発見があり、映像的にはか
なり緻密な計算がなされていると思います。特に今回は「鏡」の使い方がお
もしろかったですね。「鏡」にいろんな意味が込められていました。
あと、自分の「なすべき使命」を知ることの大切さとか、自分の身のまわり
で起こる出来事には偶然はなく、必然的意味が背後に隠されている、という
メッセージも感じさせました。シャマラン作品は、常にインドの精神性と
アメリカの娯楽性が絶妙な感じでブレンドされています。東洋と西洋が融合
したところに作品の着地点を見いだしているような気がします。

【M.ナイト・シャマランの主な作品】
「翼のない天使」「シックス・センス」「アンブレイカブル」
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最後に今後公開される予定の作品で、個人的に気になっているものを
いくつかご紹介しておきます。
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◆「メメント」クリストファー・ノーラン(2001年10月公開)
┗ http://www.otnemem.jp/memento/index.html
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◆「夜になるまえに」ジュリアン・シュナーベル(2001年9月公開)
┗ http://www.asmik-ace.com/Bnf/
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◆「マルチホランド・ドライブ」デビッド・リンチ(2002年公開)
┗ http://www.so-net.ne.jp/movie-eye/mtoto/cannesokuhou/07.html
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◆「月の砂漠」青山真治
┗ http://ocha.cplaza.ne.jp/life/cinema/2001/005.html#desert
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『編集後記』
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今回の『GAUZINE Remix』ほとんど映画紹介のメルマガのようになってしまい
ましたが、WEBデザインでもしてみようかと思う人の80%くらいは、映画にも
興味を持たれているのではないかと個人的には推測しています。

ただ、あまりにも多忙すぎて、劇場まで観に行く時間がとれない、というのが
現実ではないかと思います。なので「これは」と思うようなものを選択する
上での参考になれば、という思いでいろいろとご紹介してみました。

ミュージックビデオやCMも、おもしろい映像はたくさんあるのですが、なか
なかパッケージとして鑑賞できるものが少ないので、主に映画作家のものを
とりあげさせてもらいました。

「ブロードバンド」ということばが、実際どれだけWEB制作者の仕事に影響を
与えてくるかはわかりませんが、少なくとも「動画」「映像」にかかわらざる
おえなくなる状況というのも、近い将来おとずれるような気がしています。
そのための準備として、「映像」研究も少しづつでも必要なのではない
でしょうか、というのが『映像作家研究ファイル』企画のきっかけでした。

今後、この企画がつづくかどうかは未定ですが、とりあげるべき気になる
映像作家がでてくれば、また復活できればと思っています。

最後までご覧になっていただき、誠にありがとうございました。

====== WEB DESIGNERS MAGAZINE 『GAUZINE』 ==========================
 発 行    G A U C H O  [ http://www.gaucho.com/ ]
 編 集    尾崎 英明  [ mailto:gaucho@hal.ne.jp ]
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